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アメリカでAldi(アルディ)が旋風を巻き起こす理由
「アメリカ人の生活はマクドナルドで動いている」とよく言われますが、最近では「America runs on…Aldi?」と冗談交じりに言われるほど、ドイツ発の格安スーパー「Aldi(アルディ)」が急成長しています。
2025年末までに全米2,600店舗に拡大し、店舗数ではウォルマート、クローガーに次ぐ全米第3位のスーパーになる見込み。すでに業界平均を大きく上回る成長率を叩き出しており、アメリカの食卓を塗り替えつつあります。
では、なぜここまで人気なのか?その秘密を探ってみましょう。
Aldi成功の3つの秘密
1. 圧倒的な「安さ」
Aldiの商品は約90%が自社ブランド。大手メーカー品と比べて半額近い値付けも珍しくありません。
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例:Fruit Rounds(シリアル)→1.68ドル
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Kellogg’s Froot Loops(本家)→4.48ドル
まさに“ブランドのコピー”戦略ですが、消費者にとっては「安くて同じ味なら、こっちで十分」となるわけです。
2. 小型店舗で買い物ラクラク
アメリカのスーパーは広大で、選択肢の多さに疲れる人も多いのですが、Aldiの平均店舗面積は約20,000平方フィート。一般的スーパーの半分以下です。
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探しやすい
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コスト削減
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消費者心理にマッチ
「小さくて便利」こそがAldi流の勝ち筋です。
3. “宝探し”感覚を演出
Aldiは「Aldi Finds」という特設コーナーに、週替わりで掘り出し物を並べます。まるでガチャガチャや福袋のように「今日は何があるかな?」とワクワクさせる仕掛け。TJXやFive Belowといった人気ディスカウント店と同じ心理戦略です。
成長に潜むリスク
もちろん、順風満帆ではありません。
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訴訟リスク
ナビスコやモンデリーズなど大手食品メーカーは「うちの製品を模倣している!」と怒り、訴訟を起こすケースが増えています。 -
地域的な壁
ニューヨークのタイムズスクエア近くに大型店を出す計画もありますが、家賃の高さや激戦区ならではの課題も。成功するかどうかが今後の試金石になりそうです。
まとめ
Aldiは「安さ・シンプルさ・楽しさ」という三拍子を武器に、アメリカの食文化を大きく変えています。
日本でも業態としては「業務スーパー」や「ドン・キホーテ」の戦略に近く、今後アメリカ市場の動きを見ることで、日本の小売業へのヒントも得られそうです。
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編集後記
今回のメイン記事では、ドイツ発スーパーAldiのアメリカ進出を深掘りしました。個人的には「週替わりの宝探しコーナー」がとても面白い戦略だと感じました。日本でも「今日は何があるかな?」とワクワクする買い物体験は人気が出やすいですよね。
サブ記事のPacasoは、いわば“別荘のシェアリングエコノミー版”。旅行好きな日本人にも今後ヒントになるサービスかもしれません。
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