「デパート復活の兆しとアメリカ政界の世代交代の行方」

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アメリカのデパートは“再生”できるのか?

「百貨店=オワコン」。アメリカではそんな空気が長らく漂っていました。シアーズ、ロード&テイラー、スタインマートといった老舗が相次いで破産し、「大型デパートの時代は終わった」とまで言われたのです。

ところが最近、その“死にかけの業態”に復活の兆しが見えてきました。


株価が物語る復活のサイン

  • メイシーズ(Macy’s)
    株価が一日で20%も急騰。リモデル店舗の好調、さらに高級業態ブルーミングデールズや化粧品専門のブルーメルキュリーが業績を牽引。
    特にブルーメルキュリーは18四半期連続で売上増を記録しており、「デパート内のビューティーブランド」というポジションを確立しています。

  • コールズ(Kohl’s)
    1カ月で株価が39%上昇。かつては「クーポン除外ブランド」が多く、消費者の不満を買っていましたが、方針を転換し割引対象を拡大。集客力が戻りつつあります。


戦略の転換がカギ

アメリカのデパートが進める“再生の鍵”は以下の通りです。

  1. 小さくても濃い店舗運営
    → 店舗数を減らしつつ、ブランド力の高い旗艦店に投資。

  2. 高級志向へのシフト
    → ブルーミングデールズなどで富裕層を取り込む。

  3. 美容・体験型分野の強化
    → 化粧品、スパ体験、パーソナルサービスなど。

  4. 値引き戦略の見直し
    → コールズのように「割引の分かりやすさ」で再評価。


日本との比較

日本の百貨店業界も、伊勢丹・三越・高島屋などがインバウンド需要や高級路線で復活の兆しを見せています。
「物を買う場」から「体験とブランドを楽しむ場」へ──。
日米ともに、“デパートは消えない、形を変えて生き残る”方向に進んでいるようです。


まとめ

一時は「恐竜のように絶滅する」とまで言われたアメリカのデパート業態。しかし最新の業績を見ると、むしろ進化して新しいニッチを掴んでいることがわかります。
消費者の心理をつかみ直せば、古いフォーマットにも未来はあるのかもしれません。


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米民主党に迫る“世代交代”プレッシャー

アメリカ政界で今、大きなテーマとなっているのが「高齢議員の世代交代問題」です。


引退ラッシュの背景

  • 下院の重鎮ジェリー・ナドラー議員(78歳)、ロイド・ドゲット議員(78歳)が相次いで引退を表明。

  • さらに81歳のジャニス・シャコウスキー議員、83歳のダニー・デイビス議員、71歳のドワイト・エバンス議員も勇退。

  • 彼らは「若い世代にバトンを渡す時だ」とコメントしています。

背景には、バイデン前大統領の年齢問題が大きく取り上げられたことがあります。「党として世代交代が必要」という意識が民主党内で広がったのです。


若手リーダーの戦略

下院民主党のリーダー、ハキーム・ジェフリーズ(54歳)は、強引に引退を迫るのではなく「ソフトタッチ戦略」で議員たちと向き合っています。

  • 公には「世代交代は自然に進んでいる」と発言

  • 裏での圧力はかけず、議員自身の判断を尊重

その結果、ベテラン議員の間にも「押し出された」感はなく、比較的穏やかな引退が続いているのです。


それでも残る“世代対立”

一方で、70代以上の現役議員の中には「経験と実績こそ武器。若さだけが価値じゃない」と反発する声も根強くあります。

  • 「シニオリティ(議会内の年功序列)はまだ意味がある」

  • 「若い候補は“世代交代”しか言わない。政策が見えない」

世代交代は不可避ですが、党内での軋轢は当面続きそうです。


まとめ

日本でも議員の高齢化が課題になっています。アメリカ民主党の“静かな世代交代”は、日本の政界にとっても示唆に富む事例と言えるでしょう。


小ネタ1

上院共和党、“核オプション”で人事承認を一括処理へ?

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政治的駆け引きに直結するテーマだけに、今後の展開が注目されます。


小ネタ2

サプライズ候補?元上院議員ジョン・スヌヌが再挑戦か

ニューハンプシャー州の上院選に、ジョン・スヌヌ元上院議員が出馬を検討しているとのニュース。
スヌヌ家は州知事や連邦議員を輩出した名門一家。共和党内では「待望の有力候補」と期待が高まっています。

本人は「州内を回って声を聞き、来月末までに判断する」とコメント。
もし出馬すれば、共和党の候補選びに大きなインパクトを与えるでしょう。


編集後記

今回のメインは「デパート復活」。正直、アメリカの百貨店はもう消えると思っていたので、株価急騰のニュースには驚きました。
日本の百貨店も、観光需要や高級路線で息を吹き返している部分があるので、日米の動きはどこかリンクしていると感じます。

サブ記事の「世代交代」は、日本の永田町にも通じるテーマですね。年齢だけで判断すべきではないですが、リーダーの平均年齢が高すぎると、社会のスピード感から取り残される危険も…。

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