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トランプがFRBを“内側から”揺さぶる?注目の人事と市場リスク
アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は、政治からの独立性を守ることが最重要とされています。ところが最近、その独立性が揺らぐ可能性が浮上しました。
大統領経済顧問の一人、スティーブン・ミラン氏が新たにFRB理事に指名されたのです。彼はトランプ政権の関税政策の設計者として知られ、ホワイトハウス経済諮問委員会のトップを務めてきました。
議会公聴会での“曖昧な答弁”
ミラン氏は上院で「FRBの独立性を尊重する」と強調しましたが、質疑応答では歯切れが悪い場面が続きました。
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トランプ氏の「労働統計局が数字を操作している」という主張に同意するか? → 回答回避
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「大統領はFRBにもっと権限を持つべき」という過去の発言について? → 明言せず
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「2020年の大統領選でトランプ氏が敗北したことを認めるか?」 → 回避
民主党議員たちは「トランプ寄りすぎる」と批判し、共和党内でも慎重な声が上がっています。
FRB内での“椅子取りゲーム”
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ミラン氏は辞任したアドリアナ・クグラー前理事の残り任期(来年1月まで)を務める予定
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その後、トランプ氏は別の理事(リサ・クック氏)を解任し、ミラン氏を長期任期に据える可能性を示唆
解任されたクック氏は不正融資疑惑で調査中ですが、「適正手続きに反する」として訴訟中。政権と司法の対立に発展しています。
市場の懸念:ドル安と金価格の急騰
ゴールドマン・サックスは「もしFRBの独立性が損なわれれば、ドルへの信認が揺らぎ、金価格は5,000ドル(現状3,600ドル)まで急騰する可能性がある」と予測。
日本で言えば、日銀が政権の意向で政策金利を決め始めるようなもの。為替や投資に直結するリスクです。
まとめ
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FRB独立性は世界市場の“要石”
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政治が入り込むとドル安リスク → 金や他通貨が相対的に強くなる
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投資家にとっては「ヘッジとしての金買い」が加速する可能性
トランプ政権の人事一つで、世界の金融バランスが大きく動く──そんな時代に突入しています。
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マクドナルドが“チップ制度”に異議あり!
アメリカの飲食業界で熱い議論となっているのが「チップ文化」と最低賃金制度。
多くのレストランでは「チップをもらう前提」で最低賃金以下の給料が認められています。
マクドナルドCEOの発言
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「チップありの店は、人件費をお客に肩代わりさせている」
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「我々のようなファストフードはその制度を利用できない。公平性に欠ける」
この発言と同時に、マクドナルドは全米レストラン協会から脱退。業界に大きな波紋を呼びました。
なぜ問題なのか?
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テーブルサービスのレストラン:チップ文化で人件費を削減可能
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ファストフード:チップがないため、全額を企業が負担
つまり、同じ「外食」でもコスト構造に大きな差が生まれています。
日本で言えば「牛丼チェーンと高級レストランで最低賃金ルールが違う」ような状況。
まとめ
マクドナルドが問題提起したことで、**「チップ文化の見直し論」**が再燃しそうです。
日本では無縁のテーマですが、アメリカで外食価格が高騰する背景には、こうした制度的な歪みがあるのです。
小ネタ1
ジョルジオ・アルマーニ氏、91歳で逝去
イタリアを代表するファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏がミラノで亡くなりました。
1975年にたった1万ドル(フォルクスワーゲンを売った資金)でブランドを立ち上げ、世界的帝国を築いた伝説的存在。
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メンズスーツに“軽やかさ”を持ち込み、一世を風靡
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ハリウッドスターを映画内外でスタイリングした先駆者
他のラグジュアリーブランドが大手コングロマリットに吸収される中、アルマーニ社は独立を維持。
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小ネタ2
パワーボール宝くじ、史上3番目の高額賞金へ
アメリカの宝くじ「パワーボール」で、**17億ドル(約2,500億円)**の大当たりが目前に!
過去最大級の賞金額で、売上も急増しています。
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当選確率は 1/292.2百万(自販機で押しつぶされる確率の方が高いと言われるほど)
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米国人は2023年に宝くじに1030億ドルを費やした
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当たった場合は「年金型より一括受け取りが得」と専門家はアドバイス
夢を買う気持ちは万国共通。日本のジャンボ宝くじ以上に「射幸心エンタメ」として根付いているのが特徴です。
編集後記
今回のメインは「FRB独立性とトランプ人事」。日本にいると少し遠い話に感じるかもしれませんが、ドルが動けば円や株価に直撃します。投資家だけでなく、日常生活の物価にもつながるテーマなんですよね。
サブ記事ではマクドナルドのチップ論争を取り上げました。アメリカの外食文化は独特ですが、裏を返せば「制度の歪みが消費者の負担に跳ね返る」構造。これ、日本の最低賃金議論にも通じるところがあります。
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