AIバブルは宴か破滅か?ウォール街が笑いながら震えている

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ウォール街「バブル上等!」の真意

「バリュエーション(株価の割高度)が危険水域?それがどうした。まだいける!」——。いまウォール街では、矛盾した熱気が広がっています。

株価は高すぎ?でも買え!

  • BofA(バンク・オブ・アメリカ)によると、20の指標のうち19が割高を示し、そのうち4つは過去最高値。

  • それでも「今の企業は昔より健全。負債比率も低いし、むしろ今の高いPER(株価収益率)に慣れるべき」とアドバイス。

  • ゴールドマンは「大型テック株の中央値は31倍。ドットコムバブル時代の41倍よりマシ」と強気。

つまり「値段は高いけど料理は美味しいから気にするな、食え!」というノリです。

強気派の論理

  • バブルでも一番乗りなら勝ち逃げできる

  • 革新が伴うバブルなら、むしろ乗らないリスクの方が怖い。

  • 「AIへの巨額投資は正当化できる。少なくとも短期的には市場を押し上げる」

投資家に向けたメッセージはシンプル:とりあえず乗れ、降りるタイミングはあとで考えろ

弱気派の警鐘

  • 大型テック株の利益成長は鈍化。

  • AIインフラ投資(年間50兆円規模)がどこまで回収できるか不透明。

  • Nvidiaの1000億ドルのOpenAI投資のように「自作自演的な資金循環」もリスク要因。

  • Oracleが1.8兆円を借金で調達したのも「バブルっぽい匂い」と指摘。

弱気派アナリストの一人は「買い推奨の誰一人として私の売り評価に反論してこない」とコメント。これはむしろ不気味です。

結論

短期的には「AIパーティーはまだ続く」。しかし踊り場の先に待つのはシャンパンか、それとも割れたグラスか——。投資家は見極めを迫られています。


まとめ

今回のポイントは「割高?そんなの気にすんな」というウォール街の開き直りです。通常なら「指標が19/20で危険水準」と聞けば身構えるはず。でも今は逆。理由はAI。生成AIブームで「次世代インフラ投資=正義」と化しており、企業も投資家もハイリスクを正当化しています。

バリュエーションを例えるなら、「ラーメン一杯5000円は高い。でも、このラーメンは未来を変える栄養素が入ってるから仕方ない」と皆が納得している状態です。BofAも「昔の相場と比べるな、今は別次元」と宣言。強気派にとってはむしろ「今降りる方が危険」と映っています。

一方で、弱気派は冷ややかです。巨額投資が本当にリターンを生むのか?AI関連企業が借金で投資を続ける姿は、2000年のドットコムバブルの再来に見える。特にNvidiaやOracleの資金循環は「自作自演のカラクリ」と批判され、「いずれ回収不能になる」と警告されています。

ただ、今の相場で重要なのは「いつ天井が来るか」よりも「どこまで乗れるか」。歴史的にバブルは、みんなが「そろそろ危ない」と気づいた瞬間に崩壊します。今はまだ多くが「バブルでも儲かるうちは乗っとけ」と思っている。だからこそパーティーはもう少し続くのでしょう。

日本の投資家にとっても無関係ではありません。米国株のAI関連が崩れれば、日経平均や新興株にも連動します。特に半導体関連の日本企業(東京エレクトロンやSCREENなど)はNvidiaの好調に直結しているため、崩れる時は一緒に巻き込まれる可能性が高い。

結局、投資家の選択肢は「宴に参加する」か「遠くから指をくわえて見る」かの二択。どちらにせよ、リスクとリターンを冷静に天秤にかける時が来ています。


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編集後記

ウォール街の「バブル?知るか。儲かるうちはGO!」という態度、正直ちょっと羨ましくもあります。日本だと「バブル=悪」という刷り込みが強すぎて、慎重すぎてチャンスを逃すことが多い。でも歴史を見ると、大儲けした人はたいてい「バブルでも早く乗って、早く降りた人」なんですよね。

もちろん、降りるのが遅れたら一発退場。だから「どこで降りるか」を考えながら乗る勇気が持てるかどうか。宴会場の照明がまだ明るい今、私たちは入口で靴を脱ぐか、中に入って一杯飲むかを決めるタイミングに立たされています。

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