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グーグル、独占禁止裁判で“ほぼ無傷”?判決の中身を徹底解説
アメリカで世界的注目を集めていた「グーグル検索独占禁止裁判」。2023年に「違法な独占状態」との判決が下り、「Chrome売却か?」「Android分割か?」と業界は大騒ぎになりました。
ところが2025年9月、同じ判事が下した最終判断は、驚くほど“軽い処分”でした。
判決のポイント
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アップルとの年間200億ドル契約は継続可能
→ Safariのデフォルト検索エンジン契約(=iPhoneユーザー10億人以上へのアクセス)はそのまま維持。 -
「独占契約」ではない限り、デフォルト契約はOK
→ サムスンやMozillaとも契約継続可。Mozillaは契約収入が生命線のため、「支払い停止はむしろ壊滅的」との判断。 -
ChromeやAndroidの分離は不要
→ 最も厳しいシナリオは回避。 -
一部データ共有義務
→ 検索データを競合に開放するよう命令。
なぜ“軽い判決”に?
判事は「AIが登場した今、グーグルは新しい競合に直面している」と指摘しました。
ChatGPT、Claude、Perplexityといった生成AIが検索の代替になり始めているため、以前のような独占状態とは言えない──という論理です。
つまり、「AIの進化がグーグルを守った」わけです。
日本との比較
日本でもYahoo!が長年Google検索エンジンを採用しており、国内シェアはほぼGoogle独占状態。
ただし、生成AIが普及すれば「検索エンジンに頼らない情報取得」が広がり、同じように独占構造が揺らぐかもしれません。
まとめ
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判決はGoogleにとって“ほぼ勝利”
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AIの進化が「独占市場」の定義を変えつつある
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ただしデータ共有義務で競合が追い上げる可能性も
結局のところ、検索の未来は裁判所ではなく「AIユーザーの使い方次第」で決まりそうです。
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NFLの2025年シーズン開幕直前に、大手違法配信サイト「Streameast」がついに潰されました。
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まとめ
Streameast閉鎖は大きな勝利ですが、「安さ」と「利便性」を解決しない限り、次の“海賊船”がすぐに現れるでしょう。
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小ネタ2
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編集後記
今回のメインはグーグルの独占禁止裁判でした。正直、「Chrome売却!」みたいなド派手な展開を期待していたのですが、ふたを開ければ肩すかし。ただ、その裏には「AIの進化が独占市場を揺さぶっている」という深い示唆がありました。
サブ記事の違法配信は、日本の「漫画村」問題を思い出させます。結局、安価で便利な公式サービスが出ない限り、いたちごっこは終わらないんですよね…。
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