🧠 深掘り:サムスンは“負け組ファウンドリ”から抜け出せるのか
ここ数年、半導体業界の序列ははっきりしていました。
TSMC一強、サムスンは苦戦。
この構図を疑う人は、ほとんどいなかったと思います。
しかし今、その前提が静かに揺らいでいます。
注目されているのが、サムスン電子のファウンドリ(受託製造)事業です。
特に鍵を握るのは、北米ビッグテックとの距離。
最近、サムスン電子の李在鎔会長は、
-
テスラのイーロン・マスク
-
AMDのリサ・スー
と相次いで会談しました。
目的は明確で、最先端半導体の受注です。
象徴的なのが、
テスラ向け次世代AIチップ「AI6」。
サムスンは2024年7月、
約23兆ウォン(約195億ドル)という巨額契約を結び、
米テキサス州テイラー工場での生産を引き受けました。
この話、単なるビジネスではありません。
国家安全保障の話です。
🧠 深掘り:なぜ今、サムスンなのか
理由はシンプルです。
TSMCが“縛られている”から。
台湾政府は現在、
「N-2ルール」という厳しい規制を敷いています。
これは、
-
海外工場で生産できるのは
-
台湾本土より2世代以上古いプロセスまで
という縛りです。
つまり、
TSMCが米アリゾナ工場で量産予定の3nmは、
すでに**“最先端ではない”**。
一方、サムスンはどうか。
-
テキサス工場で
-
2nmプロセスを早ければ来年量産
できる見込みです。
これが意味するのは、
アメリカ国内で最先端を量産できる唯一の企業
になる可能性です。
しかもTSMCは、
Apple・Nvidiaといった巨大顧客に
生産能力をほぼ押さえられています。
その結果、
-
AMD
-
Google
-
Qualcomm
といった企業が、
**「次の選択肢」**を探し始めた。
そこに、サムスンがいる。
これは技術力というより、
地政学が作ったチャンスです。
🧠 深掘り:半導体は「商品」ではなく「国力」になった
ここが一番重要なポイントです。
半導体は、
もはや価格や性能だけで選ばれる商品ではありません。
-
どの国で作られているか
-
どの政府の管理下にあるか
-
有事に止まらないか
これが、
契約の前提条件になっています。
アメリカは半導体を
国家安全保障資産と明確に位置づけました。
しかし台湾は、
その技術を簡単には外に出さない。
その「隙間」に、
サムスンが入り込もうとしている。
逆転劇があるとすれば、
それは技術の進歩ではなく、世界情勢が理由です。
🤖 気になった記事:AIは広がっているのに、なぜ使われないのか
一方、現場では別の変化が起きています。
アメリカの調査によると、
AIを使っている企業は約1割。
前年比で4%増えましたが、
まだ多数派ではありません。
理由は単純です。
「何に使えばいいか分からない」
だから広がっているのは、
低負荷・低リスク用途。
-
メール整理
-
議事録作成
-
カレンダー管理
-
要約
地味ですが、確実に効く。
逆に言えば、
AIは仕事を奪う前に、仕事を削っている。
しかも注意点もあります。
ツールを入れすぎると、
逆に仕事が増える。
AIは魔法ではなく、
道具です。
使いすぎると、
包丁と同じで疲れます。
🌅 小ネタ①:5-to-9が流行る本当の理由
最近流行っている「5-to-9」。
これは、
出勤前・退勤後の時間を
徹底的に自己管理する動きです。
-
朝のルーティン
-
夜の自己投資
-
副業
-
運動
一見、意識高そうですが、
本質は違います。
仕事が不安定になったから。
AI、リストラ、評価の変化。
「会社が人生を保証しない」
という前提が、共有され始めた。
だから人は、
時間を自分で取り戻そうとしている。
ただし、
やりすぎると燃え尽きます。
管理のしすぎは、
自由の喪失でもあります。
🧠 小ネタ②:仕事術が流行る時代は、余裕がない時代
-
アイゼンハワーマトリクス
-
ポモドーロ
-
フロータイム
-
Eat the Frog
これらが流行る理由も同じです。
仕事が多すぎる。
仕事術が必要な社会は、
そもそも設計が歪んでいる。
AIは、この矛盾を
少しだけ緩和します。
でも、
根本解決はしません。
🧾 まとめ:サムスンと私たちに共通する一点
ここまでの話を、
一度まとめます。
-
半導体は国力になった
-
サムスンは地政学の隙間を突いている
-
AIは静かに仕事を削っている
-
人は時間を取り戻そうとしている
共通点はひとつ。
環境が変わった。
サムスンも、
働く個人も、
「元のやり方」が通用しなくなった。
勝っているのは、
いち早く現実を受け入れた側です。
📝 編集後記:未来はいつも、静かに始まる
半導体の話も、
AIの話も、
働き方の話も。
共通しているのは、
派手な革命ではないことです。
気づいたら、
前提が変わっていた。
サムスンも、
突然強くなったわけではありません。
TSMCが縛られ、
世界が分断され、
選択肢が減った。
その結果、
「そこにいた」。
私たちの仕事も同じです。
AIがすべてを奪う日は、
たぶん来ません。
でも、
気づかないうちに、
やらなくていい仕事が増えている。
それをどう使うか。
空いた時間を、
さらに仕事で埋めるのか。
それとも、
少しだけ余白を作るのか。
半導体は国家になり、
AIは仕事を侵食する。
コメント