🎓 トピック
CS学位が武器にならない時代? それでも活きるスキルとは
「コンピュータサイエンス(CS)の学位を取れば、卒業後すぐに高給エンジニア!」
――そんな夢のようなイメージは、ここ数年で急速に崩れています。
シリコンバレーでは、新卒の採用が冷え込み、さらにAIが新人エンジニアの仕事を肩代わり。新卒のコーディング人材が、エンジニア職に就けずに飲食チェーンへ応募するようなケースまで出てきているのです。
📉 データで見る現状
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失業率:2023年時点でCS専攻卒の新卒失業率は6〜7%台。他専攻平均(3.6%)の約2倍。
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求人動向:Indeedのソフトウェアエンジニア求人は、2022年のピークから約70%減。
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供給過多:CS専攻の学生数は2014年から2024年で倍増。人材は増えるが、求人は減少。
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自動化の影響:VC調査では、新卒採用が大手で25%、スタートアップで11%減。背景にはAIによる自動化の加速。
💡 それでも「勝てる人材」はいる
ただし「CS学位が無意味」というわけではありません。
実際に就職できたCS卒の平均初任給は 約8万ドル(約1200万円) と依然トップクラス。
しかも「学位不要の仕事」に流れる率は低く、自分のスキルを活かせる場を求め続けている様子も見られます。
👉 今のキーワードは「AIをどう使いこなせるか」。
企業は「ただコードを書ける人」ではなく「AIを使って効率化できる人」を探しています。
新卒・転職組に共通するサバイバル戦略は 「AIツールを武器にスキルを上書きする」 こと。
これからキャリアを積むなら、
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GitHub CopilotやChatGPTを活用できるか
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AI時代に必要な設計力・問題解決力を身につけられるか
が分かれ目になりそうです。
🏫 気になった記事
AIと先生たち:教育現場の最前線
学校もAI時代に突入しています。アメリカの調査によると、昨年度、教師の 6割がAIを授業で活用 したと回答しました。
使い道は「教材づくり」「宿題やテストの採点」「授業プラン作成」など。忙しい先生たちにとって、AIはもはや「新しい右腕」です。
✅ 教育現場でのAI導入事例
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Google:大学生にAIモデル「Gemini」を無料提供し、学習支援を拡大。
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Microsoft & OpenAI:2大教師労組と連携し、AI教育に2,300万ドルを投資。40万人の先生を対象に研修を実施予定。
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NY市教育局:当初は学校端末でAIを禁止したが、現在は「学習のサポート」として解禁。
⚠️ ただし課題も山積み
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AIへの依存で「生徒の思考力が低下するのでは?」という懸念。
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生徒のデータを扱うことによる「プライバシーリスク」。
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政府調査では、公立校の半数以下しかAI利用のルールを策定していない。
👉 AIは「カンニング道具」から「学習支援ツール」へ進化中。
ただし導入スピードに対して、制度やルールが追いついていないのが実情です。
🔹 小ネタ1
夏休みと一緒に消えるChatGPTユーザー
「6月半ばから急にChatGPTの利用率が落ちた!」
これはニューヨークのデータでもはっきり出ています。
理由は意外とシンプル。大学が夏休みに入り、宿題がなくなったから。
実際、週末にも利用率が下がる傾向があり、学生ユーザーの存在感がとても大きいことがわかります。
AIツールが「勉強のパートナー」として使われている証拠ですね。
🔹 小ネタ2
電卓メーカー=半導体の巨人? Texas Instrumentsの正体
「数学の授業で使ったグラフ電卓の会社」というイメージが強い Texas Instruments(TI)。
実は世界有数の半導体メーカーでもあるんです。
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1958年に集積回路を共同発明し、技術の基盤を築いた。
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かつては軍事機器やレーダーまで製造(のちにRaytheonに売却)。
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今の主力は「アナログ半導体」で、自動車・医療機器・家電など幅広い分野に搭載。
さらに 総額600億ドルを投じて新工場を建設 予定。AppleやNvidiaとも提携し、AI時代のインフラを支える企業として存在感を増しています。
✍️ 編集後記
今回のメイントピックは「CS学位の価値が揺らぐ」というちょっとショッキングな内容でした。
でも裏を返せば「AIを使いこなせる人材にはこれからチャンスが広がる」ということ。
教育の現場もAIと共存し始め、日常の学びに欠かせないツールになりつつあります。
私たちに必要なのは「AIに奪われないこと」ではなく「AIを活かすこと」。
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