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トランプ関税に“返金チャンス”?企業が揺れる米国裁判の行方
いまアメリカの企業界隈でざわついているニュースがあります。
それは「トランプ前大統領が導入した関税が違法と認定され、企業が数十億ドル規模の返金を受けられる可能性がある」というもの。
米連邦控訴裁判所が一部関税を「違法」と判断し、今後最高裁まで持ち込まれる見通しです。判決が確定すれば、関税を支払ってきた企業は巨額の払い戻しを受け取れる可能性があります。
返金チャンスの実態とは?
元国家経済会議副局長エバレット・アイゼンスタット氏はこう話しています。
「裁判の行方次第では、関税返金のチャンスがある。ただし、企業は支払い記録を正確に追跡しておく必要がある」
つまり、返金を狙うなら過去の関税支払い記録の管理が必須です。日本企業で言えば、輸入酒税や消費税の還付申請に近いイメージでしょう。
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裁判で勝てば返金の可能性
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ただし記録管理が不十分だと対象外
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政府は徴収を強化するため「取り戻しにくい」構造も
企業が抱える“リスクと逡巡”
ただし問題は、「返金を求める行為そのものが政治的リスクになる」点です。
Amazonですら、関税関連の価格表示を検討しただけでトランプ氏と直接電話会談する羽目になりました。
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Amazonの例:報道直後にベゾス氏とトランプ氏が緊急通話
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大企業は“目立つ行動”を避けたい傾向
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中小企業は“生き残り”のために訴訟参加も視野
アイゼンスタット氏は「Amazonのような企業は別だが、命運がかかっているなら返金を求めざるを得ない」とコメントしています。
返金を狙う手段
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集団訴訟(クラスアクション)
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業界団体を通じた請求
一社単独で動けばリスク大ですが、まとまって動けばリスクを分散できます。
まとめ
トランプ関税は毎月約300億ドルを政府にもたらしてきました。もし最高裁が違法と判断すれば、その巨額が“逆流”することに。
日本企業にとっても対岸の火事ではありません。米国に輸出するメーカーは価格競争力の変動を受ける可能性が高く、円安・ドル安の動きとも絡んで日本市場にも波及する可能性があります。
「関税=企業負担」という構図に、思わぬ“返金バブル”が訪れるかもしれません。
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編集後記
今回のメイン記事は「関税返金」という、ちょっと意外なテーマでした。普段は“取られるだけ”のイメージがある税金ですが、条件次第で“戻ってくる”可能性もあるんですね。日本の消費税還付の仕組みに近い部分もあり、個人的には妙に親近感を覚えました。
サブ記事ではゴールドの快進撃を紹介しましたが、ここ最近「金と仮想通貨の相関」が話題。投資の世界も「ドル頼み」から多様化の時代に入った印象です。
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